iFi audio社のxDSD Gryphonというヘッドホンアンプを1年間使ってきましたので、その感想を書いていきます。ヘッドホンアンプというカテゴリーの製品に興味をお持ちの方の参考になれば幸いです。
同封物
保証書類以外の同封物としては、本体、ケーブル3種及び小型の巾着袋です。この袋の底はイヤホンケーブルが通せるようにするためなのか、小さく開けられています。
ケーブルは以下の3種類です。
USB Type-C<->USB Type-C（Androidスマホ、iPad Pro/Air/mini6、Type-C端子を持つPC）
USB Type-C<-> Lightning（iPhone、Lightning端子のiPad)
USB Type-C<-> USB Type-A (PC)
本製品側の接続端子はUSB Type-Cですので、その相手に合わせてケーブルを使い分けることになります。ただ、この短さでは取り回しが不便なので実際にはメインで使う用途に合わせてもう少し長いケーブルを買いたくなると思います。
使用例
1. スマホ・タブレット・PC==本機==有線イヤホン
もっともスタンダードな使い方だと思われます。スマホ・タブレットは昨今イヤホンジャックがないものもあり、そうしたデバイス内の音源を有線イヤホンで聞く場合はこういう形になると思います。PCではまだイヤホンジャックがあるものもありますが、そうした場合でもPCによっては音質改善には寄与すると思います。私のメインPCの自作ゲーミングPCのケース本体のイヤホンジャックにイヤホンを直つなぎすると、結構なノイズが発生しますが、このヘッドホンアンプを間にはさむと、きれいな音を楽しむことができます。マザーボードのイヤホンジャックにつないだ場合と比べても、こちらの方が音はいいと思います。
ただし、スマホとも接続できるものの、スマホと接続して外で使うには少々かさばると思います。
2. スマホ・タブレット・PC==本機==アクティブスピーカー
1における有線イヤホンの代わりにアクティブスピーカーを接続すると、ちょっとしたコンポのようになります。この写真ではレイアウト・配線に全く気を配れておらず、その良さを伝えきれていませんが、ちゃんと考えて配置すればスマートな外観になると思います。
3. スマホ・タブレット・PC‥(Bluetooth)‥本機==有線イヤホン・アクティブスピーカー
このヘッドホンアンプはBluetoothでスマホ等と接続することができます。有線イヤホンを楽しむためのものなのに無線接続なんて意味ないのでは？と思う方もおられると思いますし、自分も基本的にはそう思っています。ただし、PCで本機を使った後、本機を寝室に持っていってスマホとBluetooth接続し、寝る前に軽く音楽を聴くという使い方が最近便利だと思っています。PCの設置場所や形によっては接続しているケーブルをわざわざはずすのが手間に感じることもあると思います。
その他の利点
1. デジタル表示であること
バッテリー残量がデジタルで表示されているためにいつでも充電に備えることができます。また、音源のフォーマットやBluetoothコーディックがデジタル表示されます。
2. 4.4mmバランス接続を搭載
4.4mmバランス接続端子のイヤホン・ヘッドホンを接続することでより高音質で音源を楽しむことができます。
3. 音質の調整
XSpace、Xbass Ⅱという音質のバリエーションを切り替えることで音質を調整することができます。XSpaceを選ぶとより奥行きのあるサウンド効果、XbassⅡでは失われた低音を復元することができるとのことです。
微妙である点など
1. 持ち運び
ポータブルのカテゴリーに属するものの、外に持ち出すには少し重くかさばると思います。旅行時など、大きいカバンを使うケースではかえって「これもついでに持っていくか」と思えるかもしれません。
2. PCに常時接続し、他の場所に移動させることがない場合はより低価格の製品の選択肢もある。
ヘッドホンアンプには据え置き型とポータブル型があり、前者はアダプター、後者は主にバッテリーで稼働します。本製品は充電しながらでも据置き機としても使用できますが、そういう使い方しかしないのであれば、据え置きでいいという話になります。同じような性能であれば据え置きの方が安いことが多いです。
まとめ
多くの役割を一手に担うことができるという点で優れた機種だと思います。自分は外観にも満足しています。据え置きメインの場合は他の選択肢があると書きましたが、本機はそれらの据え置き機よりもサイズがコンパクトなので、デスクトップのすっきりさをより求める場合には購入候補にはなるかと思います。
